
不具合の多い豊富な機能より、アナログでも分かりやすく人を感じるサービス設計。【ファンを生む流れを作る】
どうも、コウタです。
京都を拠点に完全独学のフリーランスデザイナーとして活動しています。2016年から禁煙をキッカケに始めた毎日ランニングは1,200日(2020年6月現在)を突破しました。
外出自粛で運動不足やストレス発散が出来てない方は、僕が毎日欠かさずやっているダイエット効果バツグンの自宅トレーニングをまとめたのでチャレンジしてみてください。また、外に出て運動する方へ、これからの時期持っていると便利な「コスパ最強のランニンググッズ」を紹介したのでこちらも合わせてご覧ください。
突然ですが、人ってどんな時に”ファン“になると思いますか?
それは「感動(特別な経験)した時」なんですね。
例えば、肉屋にコロッケを買いに行って「1つオマケいれとくね!」って言われたり、定食屋に行って「良かったらこれも食べて!」って小鉢を出してくれたら、なんかちょっと感動して「また来よう!」ってなりません?
必ずしも感動がファンにつながるわけじゃないんですけど、特別な経験だと感じた時の方が確実に印象に残りやすいわけですね。
僕はWEB制作もやっていて、ホームページを作る時は、そのページを見る人が「いいね」って思ってくれるように、色んな工夫を試行錯誤しながら作っています。
で、先日とあるネット業者に外注しなきゃいけない仕事があって、ネットショップで購入の手続きをしていた時に、そのサイトが最高に使いにくくて不親切で、更には電話サポートの対応に感動(イラっと)したんですね。
ということで今回は、「ファンを生む流れを作る」不具合の多い豊富な機能より、アナログでも分かりやすく人を感じるサービス設計について、お話ししたいと思います。
Index
「ファンを生む流れを作る」不具合の多い豊富な機能より、アナログでも分かりやすく人を感じるサービス設計。
昨今、たくさんの便利なWEBサービスやアプリが登場したことで「便利であることが当たり前」のような状況になっています。
が、先日お世話(イラっとさせてくれた)になった業者のショッピングページは、その便利さを導入しようとしたが故に、中途半端過ぎて逆にめちゃくちゃ不便になってしまってる状態でした。
僕はそのサイトで、オリジナルグッズを作るために手続き(商品をカートに入れて送り先を入力したり)を進めてたんですね。その時に、WEB制作を行っている立場としてめちゃくちゃ思うことがあった訳です。
具体的にどういうことかというと…
- 情報が整理されていない。とにかく見づらい。
- オリジナルデザイン(グッズ)を作るまでの流れ(方法)が明確に分からない。
- カートに入れられる商品が、個数によって別途見積りが必要。
- 不備が多いのにメール対応を自動送信で行なっている。
- 電話対応の際、あくまで自分達のサイト基準で話す。
といった感じです。
僕が出会った驚くほど謎だらけのネットショップでの経験。
もう少し分かりやすくどういう流れだったかを説明しますね。(※長いので内容はどうでも良いよって人は次項まで飛ばしちゃってください。ここをクリック)
まず、欲しい商品をカートに入れて購入手続きを進めていくんですが、僕は「個包装」というオプションをつけたかったんですね。で、1枚プラス8円で書いてあったんで「あとでオプション選択出来るんだろう…」と、そのまま進めてました。
で、”あと1クリックで注文完了”ってとこまで行っても、そのオプションを選択出来なかったんです。
なので、直接その業者に電話で問い合わせてみたところ…
店「そのオプションを付ける場合はネットショップからは注文できないんです。必要な商品を教えてください。」
と言われ、結局、電話で必要な商品と個数を全て伝えることになりました。
しかも、ショップには10個単位の金額しか書かれていないので、端数(例えば55個)だとその都度料金が違うという謎の仕様。(もちろんカートには入れられます)
店「特設ページを作りますので、そちらから購入手続きを行なってください。」
と言われ、メールで送られてきたURLにアクセスすると、商品(全部まとめた)が1つ追加されていて、また最初から(カートに入れる所から)手続きを進めるわけです。(めっちゃくちゃダルいです)
で、やっと手続きも終盤(2回目)の「配送方法を選んでください」の欄で、なぜか「店舗受取り」しか選べない訳ですね。
ただ、選択しないと手続きが進められないので、備考欄に「配送方法が選べません」と記載し、注文手続きを完了。
すぐに送られて来た”注文確定メール”に「後ほど正式な金額を記したメールを送付致します。」と書かれていて、その後すぐに”お支払いに関して”のメールが届きました。
そのメールには「配送方法 : 店舗受取り」のままの金額で、しかも振込先や期日まで書かれてたんですね。
で、「あれ?」と思って、また業者に電話で問い合わせました…
ボク「すいません。備考欄に配送方法が選べなかったと書いてるんですが…。」
店「実はそれ、自動送信メールなんです。」
ボク「備考欄に目を通さずにお支払いメールを送ってるんですか?」
店「申し訳ありません。」
ボク「配送方法が選べなかったので、料金が違うんですがどうしたら良いですか?」
店「すいません、これはシステムエラーになります。もう1度特設ページをお作りするので、そちらから再度購入手続きをお願いできますでしょうか?」
ここで流石にイラっとしてしまい…
ボク「あなた方のシステムエラーなのに、なぜ僕がもう1度最初から手続きをしないといけないんですか?通常発送分の料金を追加するだけならそちらで出来ませんか?(怒りを押し殺して)」
店「普通はお客さまに最初から手続きをしてもらうんですが、今回は特別に対応させてもらいます。(エッヘン)」
ボク「…」
と、いった感じの、ブッ飛んだ対応をされたんですね。
便利なツールに足を突っ込んだは良いものの、中途半端すぎて逆にめちゃくちゃ不便になってる例を経験したことで、制作側の人間として色々と勉強になりました。(本当にありがとうございます)
便利で機械的なサービスより、そこに人との繋がりや温もりを感じることで”ファン”が生まれる。
最初にも書いたように、肉屋に行ってコロッケを買った時の「オマケいれとくね!」はとっても感動的で、「また来るぞ!」って感じで”ファン”になっちゃうわけです。
それって絶対に機械には出来ないことだし、逆に言えば「人にしか出来ないこと」なんですよね。
要するに、ファンを作るには「人らしい行動をサービスのどこかに入れる必要がある」ってことなんです。全てのサービスに必要になるわけじゃないんですが、自社商品を売る時は、特にそれが”付加価値“になることがあります。
それ以外の部分で戦う場合には、商品の質で圧倒するしかないんですが、情報社会がもたらした影響で、もう既に商品やサービスのクオリティは均衡している状態です。なので、そこに差をつけるのは至難の業なわけです。
今回、僕がお世話(イラっとした)になった業者さんのショップページは、ショッピングカート機能(機械的要素)を付けて「お客さんを便利にすると同時に、自分たちにとっても便利にしよう」と考え、更に人間まで機械的になっていて、結果サービスに魅力(人間味)が無くなってたんですね。
要するに「別にここで買わなくても良いや!」を防ぐためには「ここで買いたい!」「ここを紹介したい!」と、思ってもらう仕組みを考えないといけないわけです。
少し不便なアナログ方式だけど、そこには人の温もりを感じるステキなサービスがある。
今回は、僕が作らせてもらった商品ページを例に出させてもらいます。(宣伝じゃなく、すごく良い例なので)
紹介するページ : サンサンマスク – 株式会社コーレル
まず僕がサイト制作を行う上で、ヒアリングの段階で「クライアントさんがどこまで管理出来るか?」「商品や自分たちの想いをどうお客さんに伝えるか?」などを考えた上で、ベストな設計を提案することを心掛けています。
この「サンサンマスク販売ページ」には、ショッピングカート機能は付いおらず、超アナログなフォーム入力タイプの購入システムです。(もちろんネット決済機能もありません)
ただ、めちゃくちゃ売れてます。(大手企業がマスク参入をしてる中でも不動の人気商品です)
これは、”商品がめちゃくちゃ良い“っていうのはもちろんなんですが「商品のコンセプト(想い・購入制限の意味)」をしっかりと作り込んだ上で、”商品に合ったアナログ方式の購入方法“を導入してるんですね。(コンセプトを考えなかったら今頃は”布マスク”って名前で販売してました)
サンサンマスクは、1人につき3枚組を3セット(合計9枚)までしか購入出来ないんです。なので、商品を選ぶフォームが3つしかないんです。同じお客さんが2回目買うことも出来ません。
ページを通して、お客さんに「何故3つしか買えないのか?」など、商品のコンセプトをしっかりと理解してもらった上で購入してもらうことで、これはただの布マスクではなく”特別なマスク“だと感じてもらえるわけですね。
補足ですが、この商品を発売した当時は実際にマスク不足が問題になっていた時期で、本当に必要な方へ届けるために買い占め防止のために「購入制限」がありました。現在は少し落ち着いてはいますが、そのコンセプト(初心)を継承したまま、今もこの販売方法を取ることになっています。(ステキ)
そしてもう1つ、全ての注文に対してのメール対応は”人”が行っています。
全てスタッフが目を通し、注文内容を確認した上で、それぞれのお客さんに合った提案をしたりしています。(例えば、この購入の方法だと送料がムダに高くなるので、こういう方法もありますよ?といったこと)
多くの注文がある中でお客さんからリクエストが届くんですね。「色の組み合わせを変更出来ませんか?」「2回目の注文なんですが良いですか?」「枚数を多めに購入しても良いですか?」とか。
で、これのほとんど全部に、スタッフがイレギュラーで対応してるんです。(ほんと素晴らしいよね)
その結果、アナログシステムでお客さんに手間を取らせてるのににも関わらず、“イレギュラー対応”にめちゃくちゃ感謝してもらえるんですね。
こうやって”ファン”が生まれるわけです。
注文するお客さん(リピーターさん)が備考欄に書いてくれる感謝のメッセージがすごくて、いつも読んでいて感動します。(ありがとうございます)
このサイトを設計する上で、ステキな商品のコンセプトを活かすことと、クライアントさんがアナログ(管理は難しい)なことも含めて悩みに悩みました。
その結果として、クライアントさんとお客さんが購入の際にしっかりと繋がれるサービスを作れて良かったなって思っています。(機械的にしなくて良かった)
これは実際のところ仕組みだけでは無理で、その仕組みの中でスタッフさん自身が、一人ひとりのお客さんに愛を持って対応されてるということが、結果の全てです。(結局人だよね)
今回は「自分が使用したショップサイト」と「自分が作った商品購入ページ」を比べて、お話をさせてもらいました。
少し長かったけど最後まで読んでくれてありがとうございます。
自分が作ったサイトだからとかではなく、純粋に「サンサンマスク」はとっても良い商品なので、良かったら是非サイトを覗いてみてください。(耳が一生痛くなりません)
商品ページ : サンサンマスク – 株式会社コーレル
まだまだマスクつけないとダメな感じが続きますが、相手を守るためのエチケット、みんなで一緒に頑張りましょう。
では、またね。