デザイナーに「何案か作ってもらえます?」と当たり前のように言ってくる人に伝えたいこと。
本ブログではアフィリエイト広告を利用している可能性があります。
2893 1673

デザイナーに「何案か作ってもらえます?」と当たり前のように言ってくる人に伝えたいこと。

2022.03.10
2022.03.10

おはようございます。FOURTEENのコウタです。

京都を拠点にフリーランスデザイナーとして活動しており、毎日休まず続けている、ランニングやブログを通じて感じた「継続は力なり」の大切さを発信したりしています。

京都を拠点に完全独学のフリーランスデザイナーとして活動し7年目。2016年から禁煙をキッカケに始めた毎日ランニングは1,830日、毎日ブログは610日を突破。(2021年12月31日現在)

こういうお仕事をしていると「色々見てみたいので何案か作ってもらえませんか?」というようなことを言われることがあります。

僕はあくまで僕のスタイルを貫いているので、昔から一緒にお仕事をさせてもらっている方からそんなことを言われることはないんですが、初見の人からこういう言い方をされたとしたらちょっと距離を置きたくなったりします。

ということで今回は、デザイナーに「何案か作ってもらえます?」と当たり前のように言ってくる人に伝えたいこと、についてお話ししたいと思います。

スポンサードサーチ
スポンサードサーチ

僕らデザイナーはボツ作品ありきで仕事していない。

少なくとも僕は、そもそもボツ作品ありきで仕事はしていません。「何案か作ってください」ということは、その中で選ばれるのは基本的には1案で、それ以外の選ばれなかった案は世の中に出ることがないんですね。

そんな作品のために時間を費やすことほどバカげたことはないと思うし、それをありきで最初からお願いをしてくる人の神経が僕には分からないんです。

ある程度自分がどんなものが作りたいかを伝えた上で、1つの方向に向かって進むならまだしも、たまに全然違うジャンルで色んなパターンを見てみたいという人がいるんですが、ブレない意見を持ってから依頼して欲しいなと切実に思います。

量産型の激安ネット業者と一緒にするな。

これって恐らく、クラウドワークスやランサーズのコンペ形式のプロジェクトだったり、量産型の激安ネット業者のデザインの感覚をそのまま個人デザイナーに向けているだけだと思うんですよね。

僕も昔は「お仕事の案件を何がなんでも取らないと…」と思って、何案も作ったりすることもあったんですが、やっぱりそういうことをしていると「都合のいいデザイナー」として見られて、僕の経験上では安いクリエイターになってしまっていました。

1つ勘違いしてほしくないのは、ああいったコンペ形式やネットの激安業者には複数名のデザイナーがデザインを提出しているということなんですね。で、一方で個人は個人なので、それと同じことは絶対に出来ないわけなんです。

デザイン案を多く出せない分、個人でしか出来ない方法があると思って、僕はそっちのスタンスを貫いて尖らせたというような感覚です。

クオリティを上げるにはどうするべきかを考える。

で、僕の場合、元々捨てる作品があるって形でデザインをしていてもモチベーションが上がらないし、それよりもある程度方向性が絞られた中でお仕事をした方が、同じ労力を全て完成品に向けられるのでクオリティが上がると思っています。

10中、2の作品を5個作るよりも、僕は10の作品を1つ作ることに自分の時間と労力を尽くしたいんですよね。

もちろんお仕事を頼んでくださる方からお金をもらうことになるので、向こうは向こうで「なるべく同じ費用内で得をしたい」と思う気持ちも分かるんですが、結果として力やモチベーションが分散してしまう結果に繋がることも理解しておいた方が良いかなと思います。

というのも、やっぱり僕の経験上「最初からコンセプトが固まっている商品」の方が良い作品は作りやすく、そこがブレている商品に対してのインスピレーションって後付けでしかないので、信念を感じられないんですね。

クリエイターと上手く共存するための感覚。

デザイナーというお仕事をしていると、デザインの分野では「人とは違う感覚を持っている人」という風に思われると思うんですが、別に僕らが魔法使いであるわけではありません。

他の分野で学びを続けられている方と同じように、時間も、知識も、スキルも全て有限な訳なんですね。

加えて、ある程度他の皆さんと同じ感覚でお仕事を受けないといけないので、そこで特別対応をすることは難しいわけなんです。で、特別対応となるとやっぱりそこには追加費用がかかって当然だと思うんですね。

複数デザインを作ることはもちろん可能なことではなるし、そういう選択肢の中から選びたいということも理解出来るんですが、クリエイターと上手く共存するための感覚として、そこに追加の価値が付いていることを理解して欲しいなと思います。

例えば「サンプルだけで良いので〇〇円で作ってもらえますか?」とか「〇〇円追加で払うので追加で数案作ってもらえませんか?」といったような、クリエイターを想う気持ちがあれば全然変わって来ると思います。

見積りも出してない状況(お仕事に繋がるか分からない状況)で「とりあえず何案か作ってよ!」はあまりにも無茶苦茶だと思うので、そういう心遣いをお互い感じ合うことで良い仕事が生まれると思います。

一緒に頑張りましょう。

では、また明日。

WRITER
KOHTA FUKUI / Freelance Designer
KOHTA FUKUI
Freelance Designer