【個性がなくても大丈夫】ヒアリングが全ての仕事にとって武器になる理由。あとは個性不要の再現性。【仕事の9割はヒアリングで終わる】
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【個性がなくても大丈夫】ヒアリングが全ての仕事にとって武器になる理由。あとは個性不要の再現性。【仕事の9割はヒアリングで終わる】

2019.08.09
2019.08.05

どうも、コウタです。

世界規模のイベント運営に携わっている、大手広告代理店で社長を務める友人に、僕のデザイン実績を見てもらった時にこう評価してもらいました。

クリティカルなデザインが出来るデザイナーは山ほどいるけれど、ここまでクライアントに寄り添っているデザイナーは珍しい。このまま突き進めばすごいデザイナーになる。

この一言一句は、僕にとって最高の称賛でした。

僕はフリーランスデザイナーとして活動して4年目になります。

そんな僕の経歴を簡単に説明すると、デザインの専門学校には行っておらず、完全独学でデザイナーになりましたが、5年前まではデザイン素人でした。

主にロゴ、名刺・チラシなどの紙媒体、広告デザイン、WEBサイトの制作など幅広く行なっており、おかげさまで現在は、このお仕事のみで生計を立てられるくらいまでお仕事をさせて頂いています。

ですが、フリーランスデザイナーとして活動を始めた1年目は、素人に毛が生えた程度の能力でお仕事を頂いていたことを奇跡だとも感じています。

If I had six hours to chop down a tree, I’d spend the first four hours sharpening the axe.

もし、木を切り倒すのに6時間与えられたら、私は最初の4時間を斧を研ぐのに費やすだろう。

Abraham Lincoln(エイブラハム・リンカーン / 米国の第16代大統領)

現在の自分のスキルを持って思い返した時に、あの程度の技術力でクライアントの希望に沿ったものを提供出来ていたのは、決してデザインスキルやセンスがあったからではないと感じています。

僕が唯一長けていたのがヒアリング能力で、そこから出来たイメージを再現する力だと思います。

今回は、僕の自信を持っている特徴でもある、ヒアリング能力と再現性をご紹介し、個性がなくてもデザイナーが成り立つ理由をお伝えしたいと思います。

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「ヒアリング能力からの想像力」があれば、個性がなくても「再現性を高められる」。それは最大の武器になる。

「ヒアリング能力からの想像力」があれば、個性がなくても「再現性を高められる」。それは最大の武器になる。

僕はフリーランスデザイナーとして活動していますが、「デザインセンス」がある訳ではありません。

むしろ今でも、様々な媒体で展開される多くのデザインを見ていると劣等感を感じることも日常茶飯事です。

ある程度のスキルを得てしても「発想力(個性)」に関しては、なかなか身に付けるのが難しいことも多いです。

僕がやりたいのは圧倒的なセンス先行のデザイナーではなく、人の想いをカタチにする仕事だったから。

僕の仕事は、僕の表現をする仕事ということだけではなく「人の想いをカタチにする仕事」だと常々思っています。

僕の持ち合わせるセンスは皆無に近い。

だからこそ、僕が戦えるのはセンスの部分ではなく、誰にでも出来るヒアリングの内容を再現する力なんです。

スキルがなく実現出来ない人のセンスを、代わりに表現する。

自分の仕事を聞かれた時に

自分自身にスタイルを持たない、クライアントありきのデザイナーです。

と、答えるワケはここにあるんです。

仕事の90%は「ヒアリングで終わる」と僕が思うワケ。

仕事の90%は「ヒアリングで終わる」と僕が思うワケ。

僕は仕事をする上で、それ以降の作業よりも最初のヒアリングが一番大切だと思っています。

僕の中では、このヒアリングだけで仕事の9割が終わると言っても全く過言ではありません。

クライアントの想いを絞り出す。

ただヒアリングをするだけではダメです。

  1. どういうものが好きか。
  2. どういう表現をしたいか。
  3. どんなものが作りたいか。
  4. どんなことを伝えたいか。
  5. どういう人に見てもらいたいか。

こういったような内容でも、形式的な会話の中だけでは出てこないような、クライアントの好みや思考を上手くヒアリングして絞り出します。

ひとつずつ見ていきましょう。

① どういうものが好きか。

クライアントがどういう立場の人かにもよりますが、担当者の好みというのはかなり大きな要素になってくると思います。

デザインであれば、サンプルイメージを複数準備してもらって、その人の好みを出来る限り把握するようにしましょう。

好みを掴みさえすれば、これ以降の作業がスムーズに進みます。

② どういう表現をしたいか。

好みを掴んだら今度はそれをどういう風に表現したいかを決めます。

デザインで言えば無難なものなのか、インパクト重視なのか、スタイリッシュなものなのかなどになります。

これである程度の方向性が決まってきます。

③ どんなものが作りたいか。

どんなものが作りたいか。

好みと表現スタイルが決まれば、それを落とし込むものを決定します。

デザインで言えば、チラシなのか、パンフレットなのか、WEB広告なのかなどの提案に当たります。

相手の希望が最優先であると思いますが、ここでは自分の力量も考えながら、意見を提案しながら最適な形を選んでいければなお良いと思います。

④ どんなことを伝えたいか。

抽象的なイメージを伝えたいのか、しっかりとした情報を伝えたいのかを決定します。

デザインで言えば、文字の大小はどうするか、写真や図を使う頻度はどうするかなどになります。

ここで構成などが、ある程度頭に浮かんで来る様であれば良い感じです。

⑤ どういう人に見てもらいたいか。

形と伝えたいことが決まれば、次はどんな人たちを対象にするかを考え、イメージをより詳細にしていきます。

デザインで言えば、若者向けなのか、女性向けなのかなどになります。

この段階で、自分の頭の中でほぼ完成イメージが決定していれば、十分にヒアリングが出来ている証拠だと思います。

あとはそのイメージで、内容含め作業を進めていくだけになります。

ヒアリングの段階で完成のイメージが頭に浮かぶ様になるまで、丁寧にヒアリングを行うこと。

しっかりとしたヒアリングを行えば、全ての90%はヒアリングで終わります。

無理なことはヒアリングの段階で無理と言う事。

出来ないことはイメージすることは出来ません。自分の頭の中で思い描けないイメージを持ち帰っても結局は悩み続けることになります。

そういった風に、イメージが固まらなかったり、フワフワした状態で物事を始めてしまうと、多くのテストを行うハメになったり、終盤で大幅な修正が入ったりして、トラブルになる可能性が高くなります。

ヒアリングを怠ったことで起こるトラブルは、全て自分の責任になると思いながら慎重に行いましょう。

それくらいにヒアリングを慎重に行っても不十分なくらい重要なことになります。

最高のヒアリングが終われば、あとはイメージを形にする「再現性」のみ。

最高のヒアリングが終われば、あとはイメージを形にする「再現性」のみ。

ヒアリングが完璧に済んだ「再現性」に「個性」は必要ありません。

これが良いと言われたものをカタチにするだけなのです。

一番大切なことは、相手のイメージに限りなく近付け、満足感を与えるということを忘れない。

チームやプロジェクトなどが絡んだ中での仕事の場合、自分自身が納得いかない状態でも相手が気に入ってくれる場合もあります。

そんな時は、これが仕事だと割り切ることも大切です。

今回紹介したヒアリング重視の対応は「個性」を必要としませんが、時には「個性」出してはいけないこともあるということです。

初めから自分の個性をカタチにするだけが全てではない。

何かを始めた当初は自信やスキルが足りなくて、なかなか「個性」を出すことが出来ないことも多いと思いますが、初めのうちはこれで十分です。

信頼を積み重ねていく中で、あなたの「個性」を出してみてほしいという、相手からのステップアップの声を待つことも重要です。

コツコツと認められていくにつれて、自分が担当する仕事の相手も増え、任される仕事も増えていくことに慣れると良いと思います。

インパクトを与えるのはリスクであり、信頼を積み重ねるのが安定というひとつの選択肢である。

フリーランスという立場で、結果を残す必要はありますが、信頼は裏切らないと思って間違いないと思います。

しっかりとしたヒアリングを行い、相手の想いを完璧にカタチにする地道な作業は、シンプルでいて究極の仕事だと僕は思っています。

では、今回はこれで終わります。

WRITER
KOHTA FUKUI / Freelance Designer
KOHTA FUKUI
Freelance Designer