【失敗のリサイクル】ボツ作品の二次利用を考える。
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おはようございます。FOURTEENのコウタです。
京都を拠点にフリーランスデザイナーとして活動しており、毎日休まず続けている、ランニングやブログを通じて感じた「継続は力なり」の大切さを発信しています。
京都を拠点に完全独学のフリーランスデザイナーとして活動し6年目。2016年から禁煙をキッカケに始めた毎日ランニングは1,464日、毎日ブログは242日を突破。(2020年12月31日現在)
これまでフリーランスデザイナーとして活動して来て5年の中で、商品が確定した商売(飲食店やアパレルなど)のお仕事と違って、やっぱりクリエイティブの世界は、完成品の想像ができない部分が多いこともあり、お客さんとの入れ違いというのが多くありました。
例えば飲食店で言えば、「牛丼を頼んだのにカレーが来た」ということがないとは思うんですが、クリエイティブに関してはお客さんとの意思の疎通の感覚的に全然あり得る話なんですね。
ということで今回は、「失敗のリサイクル」ボツ作品の二次利用を考える、というお話をしたいと思います。
クリエイティブ業界のあるある。
まずクリエイティブをお仕事にする上で、決まった商品やサービスを販売するようなお仕事とは少し違う部分として「修正がある」ということですね。
この修正に関しては、例えばチラシをデザインするとしたら「もう少し文字を大きく」とか「ここのフォントを違う感じに」とか「画像の色合いを変えて欲しい」などなど、言ってしまえばデザインは無限なので、正直キリがないんですね。
そこで「修正回数〇回まで」と予め決めたりするんですが、個人でお仕事をしていると「そこをなんとか」的な感じで、結局そんな約束を守ってくれる人って少ないわけです。
加えてクリエイター側からしても、妥協したものではなく、やっぱり気に入ったものを提供したいという気持ちがあったりで、「今回だけですよ」と言いながら毎回対応しちゃったりするんですよね。(もちろんカチカチに規則作ってる人もいますが、僕はあんまり好きじゃないです。)
「割りに合う仕事」とそうじゃない仕事の境界線。
修正とは、要するに「完成品とは関係のない部分での試行錯誤の工数」といういわゆるムダな作業なわけで、もちろん1番良いのは1発で完成品を目指せるのが好ましいということですよね。
ただやっぱり人間なんで、いざ出来たものを見てみて「思ってたのと違う」とか、それこそ依頼の段階での伝え方の入れ違いなんかもあったりで「イメージと違う」ということが起こったりするわけです。
これを「どこまで許容するのか?」ということだとは思うんですが、僕個人の意見としては”1発で仕上げることをお互いが努力し続けることが本当の意味でのWin-Win“かなと思っています。
要するに、お客さんからしても、クリエイター側しても、早く納品した方が次の行動に移せるので早いには越したことないですよね。(同じものをわざわざ時間をかけて作ることにメリットは1つもない。)
ごく稀にですが、ここを「マイペースでやります」的な感じで、スピード感が違う人がいたり、そもそも出来たものに「修正ありき」で、二度手間を考えずに依頼してくる人がいたりするんですが、そういう場合に「割りに合わない仕事」だなと感じることはあります。(こういうのは忙しさとか、時間の捉え方の問題なので理解し合えないことが多いですね。)
ボツ作品の二次利用の方法を考える。
で、少し前にもあったんですが、飲食店のメニューを作っていて「メニューはこれでいきます」と連絡があって、何回か確認を取った上でデザインを作ったんですが、出来上がったデザインを見せた時に「やっぱりこれもメニューに入れます」と言われたりするんですね。(なぜそうなる。)
後から追加したメニューを入れるスペースを想定せずにデザインを作っているもんだから、一部やり直しが必要になって来たりするわけで、僕はこういう修正に対する大変さに依頼者自身が理解するか、不適切さに気付かないといけないと思うんです。(感覚はクリエイターにしか分からないですが。)
あと僕の場合、クリエイターとして信頼されてる証でもあると思うんですが、要点だけ伝えられて「あとは任せる!」と、フワフワなイメージだけを伝えられて「完全にお任せ」なんてことも多々あるんですね。
ただ、そこでいくら時間をかけて作ったものでも、そもそもフワフワのイメージでやってるもんだから、イメージと違うとなって「ボツ作品」になることもあるわけです。
余談ですが、これって料理屋さんに言って「お任せで!」って言ったのに、来た料理に対して「好みじゃないから作り直して!」と言ってるのと全く同じで、人としておかしい行為なので本当にそこだけは理解して、可能な限りやめてくださいね。(僕だけじゃなく他のクリエイターさんにもです。)
ただ、このボツ作品が「ただのボツ」として世の中から消すことになってしまっては、クリエイター側からすればやっぱり腹が立つし、精神衛生上良くないし、それをお客さんに当たるのも無意味な話じゃないですか。
なので僕はこのボツ作品に「新しい使用用途」を作れば良いんじゃないかと考えたわけですね。
失敗を失敗としない新たな使用用途。
例えばなんですが、チラシデザインを作ったとして、そのチラシデザインを見たお客さんが「イメージと違うから」とボツになった場合残るものは、「ボツになった事実」と、あとはもう1つ「完成した事実」があるわけですね。
完成した事実があるということは「作業を重ねた事実」があるわけなので、その「製作段階で踏んできた工程(努力や試行錯誤)」もまた事実なんです。
ちょっと難しいんですが、要するに「完成品」だけを売ろうとするから「消えるボツ」が生まれるわけで、そのボツを「ボツのメイキング」として1つのコンテンツにしてしまえば、失敗を失敗としない新たな使用用途が生まれるわけですね。
で、ここから先は皆さんで考えて欲しいので、簡単なヒントにはなるんですが、僕はそういう可能性がある場合のことを考えて、自分がデザインの作業をしている時の「画面収録」を記録として残すことを始めました。
この画面収録をすることによって、僕は精神衛生的にもすごくリラックス出来て、前衛的に仕事に取り組めるようになったし、もしお客さんが「イメージと違う」と言ったとしても、(本当は納得してないけど)ある意味で納得する要素になったかなと思います。
ただ何度でも言いますが、だからと言って、完成品に対してクリエイターさんに理不尽なやり直しをさせる作業っていうのは絶対に良くないことだと思うので、そういうことがない様、打ち合わせの段階でお互い歩み寄って、イメージを出来る限り擦り合わせる努力をして欲しいなと思います。
今回は、ボツ作品の二次利用を考えるというテーマでお話ししましたが、この考え方は色んなサービスに転用できることだと思いますので、皆さんも自分のサービスの失敗を新しいコンテンツに変える方法を考えてみてください。
一緒に頑張りましょう。
では、また明日。