仕事を依頼してもらっている立場の人に強く意見するということ。

本当に嘘偽りなく、僕はクライアントさんに忖度することなく思ったことは言う人間で、それが出来る理由としては「お金で縛られていないから」だと思っています。

もちろん生きていく上でお金は必要ではあるんですが、それと同じくらいクライアントさんも僕の力を必要としている中で、お互いがWin-Winの関係を色んな角度から築けているからこそ強く言う部分は強く言えるということなんです。

ここで「お金払ってるのに大した仕事してねーな」と思われていたとしたら、自分が強く言ってしまうことによって「じゃあ他探します」って感じで捨てられて終わりなので、非常に難しいデリケートな部分でもある訳です。

ただ僕はそんなことお構いなしに、「違うだろ！」と思うことがあれば強く言ってしまうことがあるので「異端児」として見られることが多いと思います。

今回僕がクライアントさんから受けた仕打ち。

僕が依頼されるスタイルは、ほとんどの場合「お任せ」が多かったりします。

圧倒的なアート感覚があるわけではないのですが、クライアントさんの想いを汲み取る力が強いからこそ、僕をよく知ってくださっているクライアントさんは「福井さんにお任せで！」って感じで仕事を丸投げしてくださるんですね。

今回もそんな感じで任されたお仕事だったんですが、いよいよデザインが仕上がりお見せしたところ「めっちゃ良いです！」と高評価をもらい、細かな調整も終えて一旦提出させていただきました。

すぐに社内で共有してもらったところ、来た返事が「内容が変わりました。」と一言。

ここにきてまさかの作り直しを指示されてしまった時に、心の中で一気に燃え上がる熱さを感じ、しばらくの間冷静でいることは出来ませんでした。

デザインという特別な世界で生きているからこその苦悩。

僕は常にイライラしているという人間ではなく、圧倒的な不義理を感じた瞬間にしか怒ることはない基本的に温厚な人間です。

皆さんも信じられないかもしれませんが、「お任せと言ったのにも関わらず出来た作品に対して思ってたのと違うと言える人」というのがこの世にはいるわけなんですね。

これってデザインの現場だからこそ軽視されがちなのかもしれませんが、飲食店で「注文した料理を味見して思ってた味と違うと言って作り直しを要求する人」と全く同じ行為で、きっとそのシチュエーションを想像して貰えば、そんなことやってる人間は頭がおかしい人に見えると思います。

ただ、なぜかデザイン制作の現場でこれが成り立っていて（僕は絶対に成り立たせませんが）、多くのクリエイターを苦しめている事実があると思います。

僕がクライアントさんにブチギレた理由。

で、僕がブチギレた理由として、「作り直しによる費用面のこと」とか「クリエイターとしてのプライドを傷付けられたこと」とか、そんな私情的なことでは一切ありません。

僕の後ろには沢山の待ってくださっているお客さんがいて、僕の時間というのはそのクライアントさんだけのものではない訳ですね。

二度手間を被ったことによってその捨て作品を作っていた、他の誰かのために使えたかもしれない時間をも捨てることになってしまったということなんです。

僕がここで怒らなかったら、忙しい僕に気遣いまでしてくださって、文句も言わずに待ち続けてくれているクライアントさんに顔向け出来なくなるし、そういう意味で問題が起こったクライアントさんにもその想いを伝える必要があると思うんですね。

結局このクライアントさんに想いは伝わり、今後同じようなことがないように気を付けましょうということで折り合いをつけることになりました。

仕事を誰かに依頼する時にこういった配慮をすることはもちろんですが、それを受けた際には、自分の大切な人に対して怒ることの出来る人間であり続けたいと思います。

一緒に頑張りましょう。

では、また明日。