出来ることが増え過ぎたことに対しての弊害。

僕は昔、あれもこれも中途半端に出来るという状態があって、その当時は「器用貧乏」という言葉が正しいと感じるくらいのスキルの集合体のような感じだったんです。

ただ、今はもうそれぞれが独立して、どれか１つに絞って活動しても成り立つ可能性を見出せるくらいのものに成長して来て、器用貧乏という状態は「何でも屋さん」という状態に昇華しました。

そんな中で、既存のクライアントさんから「これ出来る？」というリクエストに対して、出来ませんということがほとんどなくなってしまい、どんどん仕事が圧迫してくるようになったんですね。

もちろんそれは、自分の技術が認められたことに対しての喜びであったりすることだと思うんですが、自分の割ける時間が限られていったことによって寄り添える限界を迎えてしまっていました。

依頼ばかりに対応していて提案する余裕がなくなっていた。

自分で言うのもなんですが、僕は「企画」を考えたり、それを「提案」したりすることが得意な方のクリエイターだと思っています。

日々、頭がおかしくなるほどの情報量を仕入れていて、「なんでそんなことまで知ってるの？」と思われるくらいの広い範囲で、色んなジャンルや年齢の人と会話をすることが出来るんですよね。

それくらい広い範囲での受け口があって、その中で色んなジャンルの情報からの掛け合わせが出来る中で面白いアイデアを提案できるにも関わらず、時間がないという問題で依頼ばかりに対応していて提案する余裕がなくなっていたんです。

僕自身も頼まれたことに対して必死に対応していた訳なんですが、いざ冷静になって考えた時に、自分の最大限の良さを出せていないことに気付いて、これではダメだと感じて得体の知れない不安に襲われました。

誰でも出来ることに時間を費やす意味を考えて。

日々忙しくお仕事をさせていただいている中で、もちろん得意なこと不得意なことがあって、もっと言えばモチベが上がるものとそうでないものもあって、その中で優先順位を決めていくと思うんですね。

ただ、依頼されたことをこなすだけの時間っていうのは、元々は僕にしか出来ないこと（技術的に）だったことが、いつしかそれが「誰にでも出来ること」のように感じて来て、僕が本来やるべきことは何かを考えさせられるようになりました。

先ほども言ったように、そこで今の僕にしか出来ないことは、これまでの知識や経験を使っての「企画」や「提案」で、単調な作業を売りにする時期は過ぎてしまったんだと思ったんですね。

だからこそ「人を育てる」ということにシフトしたいと思っている中でも、なかなか信頼のおける人材に出会えなかったり、クリエイティブの右腕を探すことってすごく難しいということを感じました。

やってあげたいが多すぎて体がひとつじゃ足りないから。

それでも僕の根本にあるのは「やってあげたい」という気持ちで、そういう部分との葛藤の中で行動選択をすると全部やってあげたいっていう欲張りが出てくるんですよね。

ただそれでは深く寄り添えないということにもなり、全て受け身で当たり前のことしか出来ない状態で終わっちゃうことになるし、それだと僕の100％以上を出せてない状態なんです。

このままじゃ僕は「頼んだことしか出来ない人」になってしまうし、もっと色んな提案がしたいのに「代用がいる人」で終わっちゃう気がして、だからこそ得体の知れない不安に襲われたんだと思います。

色んな人生の転機を感じる中で、今まさに僕は色んなことを変えていかないと行けない時だと思っていて、その１つがまさにこの問題だと思います。

試しにここ最近、本気で練りに練った提案を時間がない中でも無理やり数点やってみたんですが、やっぱりどれも好感触で、そこに感謝してもらったことが答えなんだと感じました。

身体的にはおじさんへの階段を上がっていると感じるからこそ、それに抗うために知識での成長をより重要に捉えて、これからの時代を大切な人と一緒に乗り越えられるように頑張りたいと思います。

僕に賭けたことを良かったと思ってもらえるように、僕はまだまだ成長します。

一緒に頑張りましょう。

では、また明日。