「どうして僕を選んでくれたんだろう？」と不思議に思う気持ち。

いつも僕は思うんですが、専門知識があってないような僕みたいな独学デザイナー野郎に、そもそもアパレル業界という「デザイン」をメイン商品として取り扱っている有名企業さんからお声をかけてもらえるというのが凄く不思議だったりします。

とはいえ自分自身は努力しているし、専門学校なんかを卒業しているような他のクリエイターさんと劣っているかといえば、タイプは違えど、僕にも勝てる要素はあるんだと自負はしています。

ただ、これは自分の中での謙遜でもなく、実際に思っていることの１つで、やっぱりいつまで経っても自分の力を評価してくださるクライアントさんには「どうして僕を選んでくれたんだろう？」と不思議に思うことがあったります。

それくらい、ゼロから成り上がりで生きて来た僕にとって今の状況はまさに夢のようで、毎日のように非現実な世界で息をしている感覚なんですね。

クライアントさんが僕に仕事を頼む時の心境。

自分がクライアントさんの立場だったらどうだろう？と考えた時に、あるプロジェクトでデザイナーが必要だと感じた時に「誰を選ぶか？」って凄く難しい選択だと思うんですね。

ましてや個人店の簡易的なポップデザインとかではなく、企業をあげて製作するようなデザインとなれば、もちろん実績や信頼はかなり大きな要素になると思うし、そこで僕の名前があがるというのはホントに光栄なことだといつも思っています。

クライアントさん側からすればそういった感覚で大きなお仕事を頼んでくださっている中で、当の本人（僕）は「僕で大丈夫かな？」と自分の実力を信じることが出来ないという意味不明の状態なんです。

今回のクライアントさんは、お酒の場で知り合った（プライベートでも）仲良くしてくださっている先輩なのですが、仕事の場となれば、年齢も立場も、全て上の人に「福井さん」とか「プロ」といった呼ばれ方をすることにむず痒い気持ちがあったりするんです。（普段はそんな呼び方しないのにね）

そこで感じるのは「クライアントさんからの期待」で、想いが強ければ強いほど、僕にのしかかるプレッシャーはどうしてもすごいものになります。

丸投げを出来る相手への信頼感。

基本的には「まだざっくりとしか決まってない見切り発車です」みたいな感じで、いつもフワッとした感じでお仕事を依頼されることが多いんですが、そこにもクライアントさんからの見えない信頼があるんですね。

ほとんどの場合、自分が思ったものを作りたいとなれば、事細かく詳細を説明したりするんですが、僕の場合はクライアントさんが作りたいものに対する打ち合わせの段階から参加させてもらうことが多いんです。（「どう思います？」って聞かれることがホント多い）

で、結局最後は「じゃあお任せします」みたいな感じで『丸投げ』されることがほとんどなんですが、やっぱりこれに関しては喜ばしいことだと思うんですね。（プレッシャーは異常にすごいけど）

先日の発信でも言ったように、フリーランスは「信頼商売」であることは確かなので、どんな状況下でも最高の結果を残して当たり前なんです。

シンプルな作品を頼まれることほど光栄なことはない。

今回ご依頼いただいた内容は「超シンプルな作品」で、下手すれば自分たちでも出来るんじゃない？って感じのデザインを「プロにやってもらいたい」とお願いしてくださったんですね。

一般的にデザインに詳しくない人は、ほとんどの場合「シンプル = 簡単」と思われがちで、写真を配置する”だけ”とか、文字を入力する”だけ”とか言われることが多いんですが、そういうデザインこそボロが出やすいので、しっかりと構成を考えてデザインしてるんですね。

素人の方から見れば分かりづらいようなレベルのシンプルさを、デザイナーに対して「お任せします」と言えるクライアントさんの勇気ってホントに嬉しいし、デザイナー冥利に尽きるなと思います。

ただ僕は、自分で言うのも何ですが「見やすさ」とか「分かりやすさ」とかには自信を持っている（というかそこでしか差を埋めない）デザイナーだと思っているので、凄く得意な分野だと思っている中で僕を選んでくれたことが嬉しいんですね。

それに加えて、先ほども言ったように、素人目では変化の分かりづらいシンプルで繊細なデザインをわざわざお金を支払って僕に任せてくださったことに心から感謝して、僕はクライアントさんの明るい未来のために全力で取り組みたいなと思っています。

デザイナーさんならきっと分かってもらえると思います。「シンプルなデザインをお任せで」と言われる時の喜びを。

一緒に頑張りましょう。

では、また明日。